表示速度が売上に直結!Webサイト高速化の簡単なテクニック

2025/12/05
  • Web制作/システム開発

「ページの表示に3秒以上かかると、多くのユーザーが離脱してしまう」
Web制作やマーケティングに関わっていると、一度は耳にする話だと思います。

実際、サイトの読み込み速度はユーザー体験だけでなく、検索順位や売上にまで影響を与えます。
「なんとなく自社サイトが重い気がするけれど、どこから手をつければ良いのかわからない」という相談もよくいただきます。

この記事では、専門的な知識がなくても取り組める高速化の基本から、ビジネスに直結する改善ポイントまで、現場でよく使う方法を紹介します。「制作会社に依頼する前に、まず把握しておきたいこと」をまとめた内容になっています。

1. 読み込みが1秒遅れるだけで売上に影響?表示速度が重要視される理由

Webサイトの速度が売上に影響するという例は、実際にいくつかの企業が公開しています。

  • Amazon
    100ミリ秒の遅延で売上が約1%下がるという有名な内部データがあります。(※古い資料ですが、今でも引用され続けています)

  • Google
    検索結果の表示速度が 0.5 秒遅れると、検索利用が減るという調査が公開されています。

また、複数の調査で「読み込みに時間がかかるほど離脱率が高まる」ことが示されています。
“1秒遅れると7%コンバージョンが落ちる”という数字はやや一般化しすぎた引用ですが、遅さが直接コンバージョンを押し下げる傾向があることは事実です。

さらに、Googleはモバイルファーストインデックスを導入しており、モバイルの表示速度は順位にも影響します。

「ASOSが速度改善で大きな成果を出した」という話も有名ですが、公開情報として正確な数字は控えめなので、一般論としては「大規模ECほど小さな改善が売上に大きく影響する」と理解しておくと良いです。

まずは PageSpeed Insights や GTmetrix などの無料ツールで現状を把握するところから始めてみてください。
改善箇所が具体的に提示されるので、着手すべき優先度が掴みやすくなります。

2. 誰でもすぐできる!表示速度を改善する5つの基本施策

表示速度の改善というと専門的に思われがちですが、実は非エンジニアでも取り組めるポイントがいくつもあります。ここでは、まず押さえておきたい5つを紹介します。

1. 画像の最適化

サイトが重い原因の大半は画像です。
TinyPNG や Squoosh を使えば、画質をほとんど落とさずサイズを大きく削減できます。
可能なら WebP 形式への変換も検討しましょう。

2. ブラウザキャッシュの設定

一度読み込んだ画像やCSSをブラウザに保存させることで、再訪問時の読み込みを大幅に短縮します。
WordPressでも、.htaccess に設定するだけで対応できます。

3. 不要なプラグインの整理(WordPress)

「使っていないのに残っているプラグイン」がサイトを重くしていることがあります。
特に読み込みが多いプラグイン(解析系・SNS系)は見直すだけで体感速度が変わることもあります。

4. CDN の活用

Cloudflare などのCDNを使うと、ユーザーの地理的な距離による遅延を抑えられます。
無料プランでも効果が出るケースは多いです。

5. JavaScriptの最適化

不要なスクリプトの削除、読み込み遅延(defer)などを設定するだけで初期表示が早くなります。
Google Tag Manager を使う場合は、読み込み順に気をつけましょう。

これらの施策は、実際に多くのサイトで効果が確認されており、表示速度が改善されることでコンバージョンが向上するケースは珍しくありません。
見た目を変えるよりもROI(投資対効果)が高い改善になることも多い分野です。

3. 競合と差がつく高速化テクニックと

もう少し踏み込んだ高速化には以下のような施策があります。

● 画像の次世代フォーマット(WebP / AVIF)

AVIFは圧縮率が高く、画像によっては 従来のJPEGの半分以下のサイズにできる場合もあります。

● CDNの本格導入

Cloudflare、Fastly、Akamai などはアクセスの多いサービスでよく使われます。
海外ユーザーが多いサイトは特に恩恵が大きくなります。

● キャッシュ制御ヘッダーの設定

CSSやJSは 1週間以上、変更頻度の少ない画像やフォントは 半年〜1年など、長めに設定するのが一般的です。

● レンダリングブロックの削減

CSSやJavaScriptの読み込み順を改善すると、ページの“見えるまでの速度”が大きく変わります。
PageSpeed Insights で該当箇所を特定できます。

● サーバーのレスポンス改善

TTFB(最初のバイトが返ってくるまでの時間)が遅い場合は、レンタルサーバーの見直しやDB最適化が必要になることもあります。
WordPressならプラグインの整理だけで改善するケースが多いです。

これらを総合的に改善すると、
検索順位、ユーザー満足度、売上のすべてが向上しやすくなります

高速化はデザイン変更のように“見える改善”ではありませんが、数字には確実に現れます。
競争が激しい今のWebでは、「速さ」は立派な競争力です。