コロナ過前からリモートワーク導入していて思う、完全在宅のメリットデメリット
2022.7.19
弊社はクリエイティブ(デジタルコンテンツ)制作会社です。
Webサイトのデザイン、開発と、動画制作、漫画製作を主業務としております。
クライアント様は、IT、不動産、店舗ビジネス、医療福祉、製造、アパレル等々、様々です。
そんな様々な業界の方と制作を進めていく中で当然ヒアリングや打ち合わせが必須になります。昔であれば直接お伺いしていましたが、昨今はすっかり「ビデオ会議」が主流になりましたね。
タイトルにも記載した通り、弊社はいわゆる「リモートワーク」「完全在宅」というものでして、弊社メンバーがビデオ会議を行うときもほとんどの場合自室からつないでいます。
背景を変に隠したりしていないので、いってしまえば普通に部屋です。なので、「在宅なんですね」みたいな話題になることもあります。
そうすると、「リモートワークって実際どうなんですか?面倒だったりうまくいかない事ありますか?コスト削減になりますか?」といった質問をよく聞くので、今回は本記事で「リモートワーク(完全在宅)で3期目までやってみて思ったメリットデメリット」を書いてみようと思います。
弊社ステータス
業種や企業によって感じ方は全く変わると思うので、まずは超簡単に弊社がどんな会社でどんな状況かを記載します。
- 創業は2019年9月
- 業務内容は「Webサイト制作」「動画制作」「漫画製作」「Web運用、マーケティング」が主業務
- 人数は主要メンバー3人(役員)、他パートナー含め8名ほど(案件状況によってよく変わる)
- オフィスはバーチャルオフィスで運営
- 勤務時間は一応9:00-18:00だが、実際は人によってバラバラ
- 週に1度は用が無くてもビデオ会議
- 2月に1度くらいで直接集まる
ざっくりこんなところでしょうか。
正社員雇用は今後行っていきますが、まだ整備しきれていない状況です。
やはり一番難しいのは教育面、認識の共有です。現状は主要メンバーが役員のみ、それ以外は元々スキルのあるパートナーのみなのでやれてると思っています。
言い方は悪いですが、意識の低い人が入って来たときどうやって管理するか、は今後の課題です。完全成果主義にしない限りは、さぼろうと思えばいくらでもさぼれてしまうので。
リモートワークのメリット
というわけで、さっそくメリットから。
圧倒的経費削減!
これは言うまでもなさそうですが、一番気になる点なのでなるべく具体的に。
当然のことながら経費削減になります。ただ、企業によってはならない場合もあります。
まずはパッと思いつく経費削減項目ですが、
- オフィス代(オフィスはそのままで在宅にする場合はNGだが、電気代なんかは下がる?)
- 交通費
- 昼食代
- オフィス用品代
とりあえずこのあたりかなと思います。もっとたくさんありそうですが、今思いつきませんでした。
逆に、企業によってはマイナスになる場合もあって、例えば
- PCを別途用意しないといけない
- ビデオ会議やPCの技術研修が必要
- 社員管理するためにツールを導入しないといけない(弊社は無料ツールで完結している)
- 企業によってはVPN環境を整えなければいけない(弊社は元々僕の自宅がGIP契約済みで、サーバーも自宅で構築済みだった)
- 自宅で働けない社員もいる
- 設備が必要な企業は結局出社する人が出てくる
ちょっと弊社の業界よりな発想ですが、こういった問題があるとマイナス面の方が大きくなってしまう事もあると思います。
感染対策、ストレス緩和
これも言うまでもなく、ですね。特に都心の企業では大きなメリットになると思われます。
なんといっても、「通勤電車に乗らなくていい」は、電車が嫌いな社員にとっては最高です。(僕はほんっっっっっとこれです。電車キライすぎてコインパーキングで無理やり車出社してたレベル)
もちろん、地方企業で車通勤の企業でもあてはまります。
通勤時間の有効活用!とか何とか云いますが、無駄ですよ。ほんと。スマホで学習するくらいなら家でPC使って学習したほうが1000倍合理的です。
通勤時間みたいな隙間時間じゃないと学習できない、なんて人もいるので、これはあくまでも僕の個人の感情が大きいです。すみません。
PCやネットのリテラシー向上
これは副産物的なメリットです。
リモートワークとなると、ここではPC作業者をイメージしているのですが、やはり打ち合わせや営業なんかもビデオ会議、チャットあたりが主流になってきます。
そうすると、オフィスで働いていた時以上にPCに触る機会が増え、さらに隣にちょっとしたことを聞ける人がいないので自分で調べざるを得なくなります。
この自分で調べるって所がPCリテラシー向上には非常に重要で(ググリ力とか言われますね)、この調べる癖がつくと仕事の能力事態も上がっていきます。
あと、家のネットを使って仕事をすることになるので、家のネットワーク回線やルーターとは?みたいなことも状況によって必要になってきて、IT全般に関する基礎的な知識が(人によっては)身に付きます。
作業時間を増やせる
ここは大きく2点で、単純な話です。
まず通勤がなくなるので、その分作業時間が増えます。単純です。
もう一つは、社員同士の雑談がなくなるのでその分作業時間が増えます。ただしこれについては、ちょっとした雑談で仕事の問題解決ができることもあるので、一概にメリットとは言えません。
一つ上にも書きましたが、「自分で調べることによるリテラシー向上」はたしかにあります。ただ、合理的なのは「知っている人に聞く」事です。
状況次第になりますが、どちらがいいとは一概に言えません。
資料を使った打ち合わせが場合によっては対面よりやりやすい
これはビデオ会議が主流になってきて思った事です。
打ち合わせをするとき、弊社のようなITの業界だと、「相手のモニターを見ながら指示を出したい」というようなケースがあります。
これ、対面の会議室の打ち合わせだと意外と面倒で、相手の画面をのぞき込んだり、モニターに移してもらったりしないといけないんですが、
ビデオ会議の画面共有機能があれば見やすく、自分の画面も操作しながら指示出せたりします。
ほかにも、自分の画面の資料を共有しながら、画面共有上でマーカーを引いたり、例えばその場で動画編集ソフトで修正を加えたりなんかもできるので、意外と効率がいいときもあります。
訳あり社員も働ける
ここも大きなメリットの一つです。
めちゃめちゃ優秀だけど地方在住で引っ越しは嫌だ、とか
スキルもあるし、バリバリ仕事もしたいんだけどどうしても子供の面倒を見なければいけない、のようなパターンはいくらでもあると思います。
こういうケースでもリモートワークならもちろん問題なし。
僕は逆に、今の会社になってから地方に引っ越して家建てました。といっても都心まで通えるレベルですが、毎日通勤となるとちょっときついくらいの遠さ。
都心に出るのは月に1回あるかないかなので、全く不便していません。
リモートワークのデメリット
といわけで反対にデメリットです。
こちらの方が気になっている方は多いと思います。
社員の管理、さぼりチェックどうするか
最大の難関はここでしょう。
経営者目線だと、ちゃんと仕事してくれているのかが何よりも気になるところだと思います。
もちろん、「俺は全社員信頼している!うちの社員は問題ない!」と言い切れる人なら大丈夫ですが、会社の規模が大きくなればなるほどすべてを信頼するのは難しいでしょう。
そして対策を行えば、コストも増します。例えば、
ちゃんと仕事しているか監視する
これはツールである程度どうにかなりそうですが、ツール導入の費用が掛かります。
例えば、簡単なところでSlackやSkype、コストをかけるところでSkyseaのようなツールを使い、社員のPCがオンライン状態か常に把握する。
朝9時に出勤ボタンを押させ、仕事中はオンラインの表示にさせていつでもチャットや通話できるようにし、席を外しているときは退席中の表示にさせる。
SkyseaならPC画面を管理者が盗み見ることもできるので、Youtubeとか見たりさぼってる人はすぐにわかります。
机上の空論でいけばこれでとりあえずは対策できますが、無駄なコストがかかる上に管理側、作業者側どちらも面倒が増えます。
あんまりやりすぎると本末転倒ですよね。
そもそもPCを使わないような仕事だと意味もありません。
シンクライアントのようなシステムで会社サーバー側で作業させる
これは自宅PCを会社サーバーにVPN接続して、作業をすべて会社サーバー側で行わせる方法。
変なサイトにアクセスできなくしたり、操作ログもばっちり残るので社員側はなかなかさぼれなくなります。
ただ、もちろん導入するには環境構築から必要ですのでコストも手間もかかるし、過去にこの環境で作業していた経験からすると
はっきり言って動作が重く、作業者側はストレスマックスです。
こんなんやるくらいなら出社して会社のPCで作業するわ!って思いました。
って感じで、無理に管理しようとするとデメリットが目立つのでなかなか悩みものです。
弊社の場合は、制作会社なので制作物単位で管理できます。
そして役員以外はパートナーで、案件単位でコスト管理できるのでさぼっていればそれだけ取り分が減るだけ。
なので、現状のリソースを確認し、手が空いているなら作業を期日を決めてお願いする、できたら送ってもらってそれに対して請求してもらう、
というシンプルな流れでできているのでトラブルがない状態です。
意思の疎通、社員の育成が困難
次にこれです。ここは本当に事業によってさまざま変わる部分だと思います。
完全にマニュアル化できているオペレーター作業のようなものなら特に問題はないと思います。
ただ、数年働いて身につくものは技術のみならず、会社の空気に合わせる、クライアントの空気を読む、ちょっとした作業の効率化等、
先輩から学ぶものというのは新人は多いものです。
それがリモートワークとなると、どうしても習得しづらく、教えづらくなってしまいます。
この問題に関しては、
- 入社後数ヶ月は出社させる
- メンターを付け、ビデオ会議等でいいから付きっ切りで指導する
- 頑張ってフロー、マニュアルを整備する
とか、アナログな方法やオンラインだけどアナログちっくな方法でなんとかするか、業務をパッケージ化するしかないと思います。
弊社も今後ぶつかる問題です。
あとは、最初からできる人しか雇わない、というのもありだと思います。
承認欲求が満たしづらい、社員のモチベーション管理
上の課題と似ていますが、これかなり大事な部分だと感じています。
人というのは、どんなに合理的っぽい人でも
「自分の頑張りを見てもらいたい、評価されたい、頼られたい」
と思うものです。
リモートワークになると、これ意識しないと本当になくなってしまい、社員のモチベーションを保つことができなくなります。
ここはチーム単位で、リーダーが定期的に「今何をしているのか」「どんなことがあったのか」「何ができたのか」といったことを、
事務的ではなくフランクに、ストーリ立てて話を聞く、語らせる、見てあげる、評価する、ことである程度維持できると思います。
あとは月1くらいは直接顔を合わせる、飲みに行く、等のコミュニケーションは絶対に合った方がいいと思います。
無しでもいける人はいますが、大半の人、特に若い人はこれが無いと「何のために仕事してるんだろう」に陥り、さぼる方法を考えたり辞めたりといったことに繋がると思います。
人による向き不向きの問題
これも似たような話です。というかほとんど問題は一つなんですよね。直接のコミュニケーションがなく、人に見られていない状況という所から出る問題ばかり。
これは、在宅ワークができる人、できない人がいる問題です。
これほんと色々な人と話してて、特にコロナ過以降、前職の同僚なんかがリモートワークになって話を聞いたまとめなんですが、
自宅で仕事できる人は何もなくてもできる
自宅で仕事できない人は習慣をつけさせるか環境を変えるしかない
だなと思えました。
僕は元々できたタイプです。ここの見極めポイントの一つは、「副業をしているかしていないか」が一つあって、僕はサラリーマン時代からずっと副業をしていたので家で仕事をする習慣がついていました。
うちの役員も元々フリーランス経験者だったので、家で仕事をするのがあたりまえだったメンバーです。
対して、僕の元同僚は職場ではさぼり等も特にせず、真面目に仕事しているタイプだったのですが、在宅になってから本当に仕事できないと。
家でパソコンを開く習慣もそもそもなく、とうしてもテレビ見たりスマホ見たりしてしまうとのことでした。
その人の対策としては、カフェに行くでした。
こればっかりは人それぞれに対策を自分で考えるしかないですが、会社側でサテライトオフィスを用意したり、朝チームの朝礼ビデオ会議みたいなことやってとりあえずパソコンの前に座らせる、みたいな事をしてあげないとだめかもしれません。
毎日カフェいってたらリモートワークの意味あまりないですし、セキュリティ的な面でも非常にまずいですからね。
機材、ネット環境の問題
あとは当然これです。
PCは会社PCで、ネットはいまどき誰だって家に回線あるでしょ?と思いがちな人がいるのですが、
会社PCは持ち出し用にセキュリティ対策してありますか?
ネットはGIPが自宅になってしまうのは大丈夫ですか?回線速度でトラブル起きませんか?変な賃貸アパートのJ●OMのク●回線使ってませんか?
って所が抜けてる場合が多いです。
情報システム部があるレベルの会社ならそこに任せればいいですが、ITに強い人がいない会社だとこの辺はどうしていいかわからないと思います。
そして家のネット回線に関しては、社員一人一人のリテラシーに左右されます。
回線は良くてもルーターの設定が間違ってて、ビデオ会議が毎回途切れる、なんて人もいました。
まずPCは最低限セキュリティ対策しましょう。対策ポリシーはもちろん会社によって様々ですが、
- SSDorHDDの暗号化
- OS立ち上げ時やロック画面のパスワード認証は当然、もちろんパスワードを紙に書いてPCに張っとくなんて論外
- Wifiはプライベートなものしか接続できないように(カフェ等で作業が必要なら情報の取り扱いには要注意)
- 本当に大事な情報は社内サーバー等で保管する
- 画面のブラインド?横から見えなくするやつもできればつける
あたりでしょうか。
このあたりは会社によってさまざまですが、ユーザーの個人情報や会社の機密情報が入っているPCを持ち出す人は要注意です。
郵送物の到着が遅い、支払いが遅れる
そして僕が一番頭を悩ませている問題。
これはオフィスがあって最低限の人がいる会社は問題になりません。
うちは徹底的経費削減企業なので、オフィスもバーチャルオフィスです。本当、住所と郵便ポストだけです。
なのでオフィス代も1万円以下で住所は東京千代田区という好条件です。がしかし。
当たり前ですが、基本的に郵便物は会社の住所に届きます。
バーチャルオフィス運営会社から転送はされるのですが、1,2週間遅れだったり1か月遅れだったりします。
これがほんと問題で、営業資料とかは別に無視でいい、クライアントから何か送付しますと連絡あった時は僕の作業場所(自宅)住所に送ってもらえばいいのですが、
国や税務署から届くもの、要は支払い関係なものが遅れて届くのです。
そしてこの手の支払い関係って、経営者の方ならわかると思うのですが大体期日がすぐのものばかり。
口座振替にできるものはしているのですが、できないものもあるので、そういうものがほぼ大体期日過ぎて手数料取られるのです。
まぁ、バーチャルオフィスまで毎日足はこんで受け取りに行くとかやれば大丈夫ですが、もちろんそんなことしたくありません。
なので今もまだ解決できていない問題です。。
採用時の媒体次第では勤務地が書けない
これは余談レベルです。
採用媒体に求人を書くとき、勤務地の記入項目が大体あるのですが、「完全在宅!」みたいな事書けない場合は多いです。
僕が使おうとした媒体は、在宅勤務での募集は別料金ですという意味不明なものでした。
まとめ
というわけで、リモートワーク、完全在宅歴4年、会社としては3年の人間が思った事書き連ねました。
正直思いつきで書いたので、まだ抜けとかたくさんありそうですが大まかにはこんな感じです。
これからの時代、特にITの業界はリモートワークが増えていくと思います。検討している経営者の方も多いでしょう。
そんな方に少しでも参考になれば幸いです。
そして宣伝ですが、弊社ではWebサイトや動画制作、漫画製作を行っています。
中小企業のWebサイトはもちろん、広告用の動画や漫画LPといったものを得意としています。
マーケティング、ブランディングについてももちろん対応できますので、
これから会社創るけどホームページがない、新しい事業作るけどホームページがない、集客どうしよう
みたいな悩みがある方は、お気軽にご相談ください。
一応Mediassort代表取締役。
ITのエンジニア・コンサルタント・動画クリエイターやデザイナーを兼業していた。
色々あってMediassort代表やってみてます。
東京から離れるために奮闘中。
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