Mediassortが本気出して売れそうなLINE絵文字を制作してみる。その1

2025/06/17

–2018年、11月23日。

11月下旬にLINE絵文字の制作が一般のクリエイターにも可能になるという情報を遅れながらもなんとか入手したMediassortのメンバー(淺野・せきど・小林)が、都内貸し会議室に集まり本気を出して売れそうなLINE絵文字を作る会議を開催しました。

淺野・・・LINEスタンプ制作経験なし・LINE絵文字制作経験なし

せきど・・・LINEスタンプ制作経験あり・LINE絵文字制作経験なし

小林・・・LINEスタンプ制作経験なし・LINE絵文字制作経験なし

 

LINE絵文字とは?

2018年5月からスタートしたLINEの独自機能です。

兼ねてから存在したLINEスタンプとの違いとして、文章中に挿入することができるそうな!

それがとうとう今月終わりにクリエイターズマーケットで販売可能になるのです。

そして、機能開始から12月末日までの中で日本在住の人によって制作された絵文字を対象に、なんとLINEクリエイターズ絵文字グランプリが開催されるとのこと!

 

これを小耳に挟んだ我々Mediassortは、早速企画会議を開いたのでした。

 

そもそも、どんな絵文字なら審査が通るのか?

淺野「俺はLINEスタンプすら作ったことないから、まずクリエイターズマーケットの審査基準から教えて欲しいんだよね」

せきど「俺はLINEスタンプ販売したことあるから、絵文字の方もある程度基準はわかってるから教えられると思う」

せきど「例えば以前作ったスタンプだと、暴力的なものとか、性的なものっていうのは問答無用で審査通らなかったね」

淺野「え、せきどさんは性的な絵文字を作ろうと思ってたの?」

せきど「思ってないよ・・・。友達に頼まれて、赤ちゃんのスタンプを作ったんだけどさ。上半身が裸だったのがダメだったみたいで」

淺野「ええ!? 厳しすぎじゃない??」

せきど「国によってはそういうのに厳しいところが多くて、それでダメだったみたい。販売したのもだいぶ初期だったってのもあるのかも。販売する国を絞ればもしかしたら通ったかもしれないね」

淺野「なるほど」

せきど「そういうのがなければ、基本的には大丈夫だと思うよ。無難なところだと、『表情』の絵文字なんかは絶対審査通ると思う」

せきど「『笑顔マーク』とか『寝てる顔のマーク』とか」

淺野「なるほど。すると・・・『コマネチ』とかもかな?」

せきど「それは、ビートたけしの?」

淺野「うん」

せきど「それはダメだね、LINE絵文字の審査ガイドラインで引っかかると思う」

 

5.1.当社または第三者の商標権、著作権、特許権、意匠権などの知的財産権を侵害し、または使用されている素材がサードパーティの利用条件に違反しているもの

 

淺野「なるほど。 LINE絵文字ってみんなが制作・販売することが出来るから、審査基準もしっかりしてるんだね」

せきど「そうだね。基本的にフォーマット以外はLINEスタンプの審査基準を踏襲しているから、やっぱり、権利関係は厳しいみたいだよ。あと、淺野は『コマネチ』は『表情系』に当たるって思ってたんだね」

淺野「・・・じゃあこういうのはどうだろう」

おもむろにホワイトボードにペンで何かを描き始める淺野。

淺野「できた」

せきど「・・・これは?」

淺野「ビートたけし」

せきど「え、あ、これビートたけしなの? ビートたけしが『コマネチ』やってるの?」

淺野「そうそう。俺らが勝手にコマネチを使うのはちょっとまずいだろうから、ビートたけしがコマネチしてるのならいいかな、と思って」

せきど「それはダメだね、LINE絵文字の審査ガイドラインで引っかかると思う」

 

5.3.肖像権、パブリシティ権などを侵害しているもの(例:許諾を得ていない人物の顔、似顔絵など)

 

せきど「逆にここまで誰だかわからなければ通るかもしれないけどね・・・」

淺野「なるほど。ダメなんだ。LINE側はそういった優しさもないのか」

せきど「いや、最初のやつよりもっとやっちゃいけないことだと思うよ。というより、人としてどうかと思う」

淺野「とにかく、勝手に人の絵を描いたり、人のギャグを使ってはいけないということだね。他にダメなこととかは?」

せきど「あとは、公序良俗に反するようなものはダメだね」

淺野「え・・・」

せきど「あ、それはダメだね」

3.11.過度に不快、または粗野なもの

 

淺野「え、うんこダメなの?」

せきど「うんこはダメでしょ・・・」

淺野「うそでしょ・・・」

せきど「逆になんでいけると思ったの?」

淺野「え、じゃあもう描くものないじゃん・・・

せきど「うそでしょ・・・」

淺野「うんこは入れたかった」

せきど「えぇ・・・」

淺野「・・・」

せきど「売れる絵文字作ろうと思ったのに、その前に企画倒れるよコレ・・・」

淺野「・・・いや、大丈夫」

せきど「いける?」

淺野「何としてもひねり出してやる!」

せきど「(うんこしか出てこなさそう・・・)」

せきど「(あ、ソフトクリームか)」

淺野「・・・できた」

せきど「コレは?」

淺野「うんこアイスクリーム」

せきど「あ、それはダメだね」

3.11.過度に不快、または粗野なもの

 

淺野「なぜだ・・・」

せきど「いや、うんこから離れようよ」

淺野「ダメだ、もう審査通る気がしねぇ・・・」

せきど「もっと柔軟に考えた方が良いと思うよ」

淺野「じゃあせきどさんは何か浮かぶんですか」

せきど「いや、まあ・・・。売れるかどうかはともかく、審査に通るようなものだとしたら、さっきも言った通り『笑顔マーク』とか『了解』とか『OK』とか・・・そういうのが良いんじゃないかな」

淺野「なるほど」

せきど「あ、それはダメだね」

3.11.過度に不快、または粗野なもの

 

淺野「これもダメなのか・・・じゃあこれは?」

せきど「これもダメだね」

 

3.11.過度に不快、または粗野なもの

 

淺野「じゃあ、遠近感を出してみよう」

 

3.11.過度に不快、または粗野なもの

 

せきど「そういう問題じゃないんだよね」

淺野「じゃあもう無理だよ・・・」

せきど「いや、うんこベースの時点でダメなんだよ」

淺野「俺うんこくらいしか描けねぇし・・・」

せきど「たしかに、ビートたけしに比べてうんこはだいぶ描き慣れてるね。・・・しかもこれ、コロコロコミックのうんこだよね」

淺野「あ、わかる?」

 

こうして企画どころか審査基準の段階ですでに心が折れかかっている2人。

隣で黙々と別の作業をしている小林。

果たして、本気で売れそうな絵文字を作ることができるのだろうか・・・。

不安は募るばかりですが、やめません。企画倒れこそ、一番やってはいけないことなのです。

 

どんな絵文字が売れる?

せきど「話が進まないので、無理やり次の議題に行きましょう」

淺野「はい」

せきど「売れる絵文字っていうのは、思わず使いたくなるようなデザインっていうのが大前提になると思うんだ」

淺野「それは例えば、利便性とか?」

せきど「使いやすいっていうのは大事だよね。もちろんそれだけじゃ売れるかどうかはわからないけど、明らかに要素の一つになってくると思うんだ」

淺野「でも、40個もの絵文字を作るとなると、統一されたキャラクターなんかがあると、結構良いと思うんだよね」

せきど「あ、それたしかにね。」

淺野「前に俺の提案で作ったMediassortのキャラクターはどう?」

せきど「そんなのあったっけ?」

淺野「ほら、『しろ』と『くろ』」

せきど「あ〜!あったあった・・・たしかコレだよね」

淺野「そうこれこれ」

せきど「・・・これ表情すらねえじゃん・・・」

淺野「たしかに」

せきど「これ売れるかな・・・」

淺野「そんなに自信ない?」

せきど「たしかに、奇抜だったり発想がすごかったりすると売れるけどさ」

淺野「ならこれは逆にいけるんじゃないかな」

せきど「どうだろう・・・というか、これ『しろ』じゃなくて『透明』だしね」

淺野「・・・ほんとだ」

せきど「あ、ちょっと時間が押してる」

淺野「もうこんな時間か・・・じゃあもうLINE絵文字はやめよう」

せきど「やめないよ!!」

 

第一回本気を出して売れそうなLINE絵文字を作る会議のまとめ

せきど「今日話したことをまとめると、こうなるね」

 

売れそうなLINE絵文字を作る上で大事なことは

①キャラクターが成立していること

②使いやすい、または使いたくなること

③奇抜だったり、発想がすごかったりすること

④うんこ以外

 

淺野「ずいぶんと漠然としてるね」

せきど「そうだね。多分、もう俺たちだけじゃ作れないかもしれない。助っ人を呼ぼう」

淺野「あ、そんな人いるの?」

せきど「うん、LINEスタンプ作ってかなり売れた人がいるんだよね」

淺野「今日呼べよ」

 

こうして、第一回本気を出して売れそうなLINE絵文字を作る会議は終了しました。次回は協力助っ人に参加してもらい、本日まとめに上がった4つの大事なことをどのように形にしていくかが鍵になりそうです。

果たして、MediassortはLINEクリエイターズ絵文字グランプリに間に合うように、自信を持って売れると言えるLINE絵文字を制作することができるのでしょうか・・・??