2019.2.20

木野本アキラ、政治を切る 〜新潟県知事選。そして恐らく私だけが気付いたであろう新潟の闇〜

    (※この記事は、昨年6月に行われた新潟県知事選挙後に私が寄稿した記事である。この記事を参考に、今年夏に参院選を控える中、私がどの程度嗅覚が優れているかを確認してもらえれば幸いだ)

     

    新潟の闇

    ジャーナリストとして数々の地方選挙を直接取材してきたが、結果的に見ればここまで驚いたことはない。しかもそれは選挙結果ではなく、選挙結果から分析して分かった新潟県の闇に対してである。

    今週日曜日に新潟県で行われた知事選は、老若男女分け隔てなく新潟県全体、いや日本全体で賑わいを見せていた。

    選挙があることに気付いたのは知事選当日から遡ること3日前の木曜日。15時ごろにTwitterでMinecraftのレッドストーン回路に関する情報を取材していた私は、タイムラインで知事選が行われるということを初めて知った。すぐさま私は布団から飛び出し、現地へ直接取材へ赴くべくスケジュールを調整。そして諦めた。時間がない。

    12日には長くから追っていた米朝首脳会談。これを取材しないでジャーナリストを名乗ることはできない。しかし新潟知事選から僅か2日後という差し迫った日程。

    1日空くなら良いではないかという、浅はかな批判を私に投げかけてくる一般人も多いが、論ずるに値しない。プロのジャーナリストは移動日も鑑みてスケジュールを立てなければならない。実際に現地に赴かなくとも、赴くことを想定し、移動に費やす時間を逆算して行動する癖をつけなければならないのだ。

    よって当然前後の11日、13日は潰れる。移動には体力を費やすため、10日の知事選、12日の米朝首脳会談の両日取材は多くのジャーナリストにとっては「ダブルブッキング」となってしまうのである。

    以上のことから、今回の知事選は現地へ赴いての直接取材を諦め、SNSによる「間接取材」をすることにしたわけだが、だからといって真相を追うことが難しくなったかと言われればそんなことは決してない。今はネット社会である。自宅にいてもネットがあればだいたいのことはわかるのだ。

    ・YouTubeで各候補の応援演説を聞く。

    ・Twitterやfacebook、InstagramなどのSNSで現地の人の声を聞く。

    これだけである程度知識のあるジャーナリストなら9割方どちらが勝つか分かる。はっきり言って。

     

     

     

    このように、知事選当日が近づくに連れ、少しずつYouTube上に応援演説の動画がアップされていく。「知事選 演説」などで検索をかければ容易にヒットするのである。仕組みはよく分からないが、恐らく立候補者は数百人規模でいるのだろうが、その中の主要メンバーである数人を応援する動画が勝手に上位にリストアップされていくシステムなのだから、その上位の動画をみれば良いだけだ。

    チェックするだけで、大枠の情勢が自ずと明らかになってくる。今回ははなずみ氏と池田氏という2人のアイドルがNo.1を争っているという構図が鮮明になった。プロのジャーナリストのよくやる手だ(勿論、現地で直接取材し直に温度を感じる方が真相を掴めるため、この手法のみに頼ってはいけないが)。

    そうして多くの動画をチェックしたが、はっきり言ってため息が出る内容だった。残念ながら。ジャーナリストは確かに批判的に見る目が必要だが、それは是々非々であることが大前提である。大前提であるが、今回は非の感情しか湧かなかった。両陣営に対して、である。

     

    こんな言葉をぶっきら棒に宣えば、すぐさま反論が私に届くのだから困ったものである。じゃあわかった。何が問題だったか、3つ挙げよう。

    ①サムネに釣られない

    ②動画が長い

    ③カットの手際が悪い

    以上である。これら全てYouTuber初心者にありがちなミスであり、至って初歩的なものだ。その上この動画を公開しているのが公式アカウントで、広報として広めているのだから驚きだ。

     

    これではキッズの心を掴めない。キッズは将来の大事な有権者なのだから。

    以上のことから、今回の知事選は両陣営ともその場で足踏みを続けているだけであり、結果が拮抗することは前日のうちから明白だった。

     

    そして日曜日、選挙が終わった。結果は言わずもがなである。両陣営が綱の引き合いで、最終的には自民・公明両党の推しメンであるはなずみ氏が当確となった。新潟県ははなずみ氏が筆頭となって今後新たなる神7をリードしていく事だろうが、そちらに関してジャーナリストの私が口を挟む権利など到底ない。いや、持ち得てはいけない。

    しかし、分析をする事は大事である。

    「選挙をデータで読み解く」作業を数年来ずっとTwitter上で行なっているはる/みらい選挙プロジェクト@miraisyakai氏の分析結果を参考に、今回のデータを読み取っていこう。

     

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    恐らく知事選と銘打ってはあるが、色とか横の数字とかで見る限り、この地図が指し示しているのは2016年と2018年の6月の気温のデータのようだ。これも恐らくではあるが、このユーザーは気温が知事選にどういった影響を及ぼしているかという、新しい見地からの考察をしているのだろう。大変優秀なジャーナリストである。

    この図から読み解くに、2016年の方が新潟全域が寒色で覆われていることから、2年前の方が寒かったいうことが分かる。やはり、地球温暖化の影響に依るものが大きいのだろうか。佐渡が暑くなっているのは明らかに地球温暖化による海流の影響であろう。

    政治と環境。全く異なる畑から新しい事実を掘り出す作業はとても大事である。

    しかし私はこの図を見て、政治でも環境でもない、ある重大な事象に気付いてしまった。恐らく多くの新潟県民、いや、日本国民が束になっても紐解けなかった新潟社会の闇である。

    ヒントを出そう。先ほどの図、新潟の南部をしっかりと見て欲しい。これで分かる読者がいれば、ジャーナリストへ転身することをお勧めする。

    それでは、答えをお伝えしよう。恐らくこれは本邦初公開の事実である。目を見開いて読んで欲しい。

     

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    この形、間違いなく青森県である。

    そう。青森県はいつの間にか新潟県に吸収されてしまったのである。勿論政府や自治体からなんのアナウンスもなく。

    確かに青森県は人口が激減し、過疎化が進み商店街が錆びているというような話を聞いてはいたが、果たしてそれは新潟に吸収合併するほどのレベルだったのであろうか。しかも、なんの公式発表もなく、いつの間にか、である。甚だ疑問を禁じえない。

    もしこれが事実だとすれば明らかな公権力の乱用であり、現政権による国家の私物化の権化そのものである。

    選挙は一番正確な世論調査だ。この結果が、今後の地方自治に影響していくのは間違いがない。しかし、死に票を蔑ろにする事は勿論してはいけない。我々はこれからも権力を監視する側として発言を続けていく。

    我々の発言に耳を傾けず、死に票を蔑ろにするのであれば、勿論今回当選されたされたはなずみ氏のアイドル生命にも影響を来す事だろう。

    木野本アキラ
    木野本アキラ

    政治ジャーナリスト。
    とことん現場を貫き、あらゆる視点から政治を読み解くことを心がけている。
    イラストはMC・司会業の石渡氏から。