Vtuber対応モデリングソフトの動きの違いや費用感などを噛み砕いて解説

    2019.12.18

    Vtuberになりたい! といっても、どうやったらなれるかわかんないって人は結構いるんじゃないでしょうか。そんな人のために使用するソフトでどのような違いがあるかなどをザラメ状に噛み砕いて説明していきます。

     

    1. Vtuber動画制作の流れ
    2. ソフトの組み合わせ
      Blender+Unity
      Live2D+FaceRig
      Character Animator
      合成しないパターン
    3. それぞれの費用は? 外注するとどんなもん?
      全部一人で制作する場合
      キャラクターモデリングを外注する場合
      編集まで外注する方法
    4. まとめ

     

    Vtuber動画制作の流れ

    Vtuberになるために必要な工程は大きく分けるとこんな感じです(あくまでも僕の分類です)。

     

     1 原画(Photoshop / illustrator / Blender / その他描画ソフト)

     2 モデリング(Live2D / Blender / Character Animator )

     3 合成(Unity / FaceRig / Character Animator)

     4 編集(Premiere Pro / After Effects / その他動画編集ソフト)

     

    カッコの中はその工程で使用する/できるソフトになります。これらをどのようなソフトを使用し組み合わせていくかでできる動画も全然変わってきます。では、世に出回っているVtuberたちがそれぞれどんなソフトを使用しているのかみていきましょう。

    編集ソフト・描画ソフトにつきましては、基本何を使ってもモーション自体に影響が出るわけではないので、今回は2、3あたりを中心に解説していきます。

     

    ソフトの組み合わせ

    Blender+Unity

    まずは3DモデルをUnityで動かす方法。Unityを使って動画を制作するとなると知識が必要な上、かなりコストがかかります。例えば物理エンジン系の動画をあげてるこーじさんは、Unity、合成に利用するヘッドマウントディスプレイに加え、フェイスキャプチャまで使っています。

    こーじさんの動画を見るに、普段からモデリングはBlenderで行なっているのでこーじさんのキャラクターもBlenderで制作したのでしょうか。かつて僕もBlenderを学んだことあるんですが、かなり癖があります。これを自分で制作したとしたら、こーじさん、かなり強いです。

    やっぱりそう考えると、Vtuberになりたいな〜と素人の人が思い立ったとして、ここまで機材を揃えてUnityを学ぶとなると相当時間がかかりそうですね。しかしその分、自由度の高さが半端じゃないです

     

    Live2D+FaceRig

    もう一つ、今主流でもあるLive2DとFaceRigを使ったVtuberは、モデリングの費用も比較的安く、かつ個人でも受注している人が多いため、ある程度価格競争もはじまっていてクラウドソーシングなんかでは比較的安価で制作するよという人もちらほら見かけます。

    さらにFaceRigとWebカメラさえあれば結構簡単に動画を作れるため、Vtuber企業でも導入しているところが多い印象です。キズナアイさんをはじめとした、日本で一番巨大なVtuber事務所、upd8のVtuberのほとんどがLive2DとFaceRigでできるシステムで動画を作ってるなと思うほどです(FaceRigではなく自社開発ソフトだとかいう話を耳にしました)。

    僕がよく見る懲役太郎さんもLive2D+FaceRigシステムですね。

    もう一つ、この制作方法が良い理由として、あんまり知識がなくても参入できる点です。Blenderでモデリングした後も合成で手間がかかるUnityとは違い、Live2Dでモデリングまで外注してしまえば。FaceRigで簡単に合成することができます。

    その点、やはり自由度は少ないですね。あくまでもFaceTimeは表情を同期させるためのものですので、手を動かしたりはできません(あらかじめ設定しているアニメーションに表情だけ対応させることは可能)。

     

    Character Animator

    最後はAdobeのキャラクターアニメーターというソフトで制作する方法。このソフトのメリットは、「モデリング」から「合成」までが1つのソフトで完結するという点です。そのため制作のめんどくささみたいなものは上記2パターンに比べずいぶん軽くなると思います。

    また有名Vtuberでこのソフトを使用している人を知りませんが、コミカルな動きに対応しているためデフォルメキャラクターとの相性はかなり良さそうです。

    Live2Dとは異なり3D的な動きがないため、カートゥーンっぽい感じですね。

     

    合成しないパターン

    最後はかなりぶん投げられた感じですが、Vtuberの案として1つ紹介するのが「キャプチャなんていらねーよ」というものです。

    BANDAIチャンネルのDJマロンとMCズイミーは、Vtuberではありますがやってることはアニメに近いです。

    なるほどそうかと思ったんですが、要はキャラクターがYouTuberになるということがVtuberのため、生放送でも予定しない限りわざわざ中の人と同期させる必要はないんですよね。

    そう考えるとコジコジチャンネルのコジコジもVtuberですね。

     

    それぞれの費用は? 外注するとどんなもん?

    ということで、実際にそれぞれのパターンで制作するとなるとどれくらいの金額になるんでしょうか。

     

    全部一人で制作する場合

    まず、モデルから自分一人で制作する場合のソフト費用はこんな感じ

    Live2D 2,200円くらい/月

    Photoshop 2,500円くらい/月

    Blender 無料

     

    モーションキャプチャはこんな感じ

    FaceRig 2,000円くらい

    Unity 4,200円/月

    ヘッドマウントディスプレイなどは別で50,000円くらい

    Character Animator 2,500円くらい/月

     

    こうやって考えると、やはりUnityは費用感での参入障壁もありますね。Unityの他にもLive2DやAdobe系はサブスクリプションなので、定期的にキャラクターデザインなど必要でない場合はちょっと勿体無い感じもしますね。FaceRigは落としきりのため、問題なさそうですが広告収入が多くなればその分費用も変わってしまうため注意が必要です。

    究極的にコストカットしたいのであれば、フリーソフトで制作したキャラクターイラストを静止画のまま動画に載せて、ラジオ風に声を当てて、moviemakerで動画にしちゃえば無料でできますね。一応Vtuberではあると思います。

     

    キャラクターモデリングを外注する場合

    Live2D用キャラクター制作を主軸として請け負っている会社もあるようです。こちら興味深い動画を見つけました。

    こちらの動画を見ると、企業として受注する場合、

    イラストで35,000円、立体風非対応で上半身のみのシンプルプランで46,000円(会社WEBサイトを見ると今は35,000円-対応しているっぽいです)、さらに追加編集費用で合計100,000円ほどかかったそうです。

    それとは別で立体的な動きを加えた全身タイプ、パラメータは30ほどとなる場合は250,000円-とのこと。こちらのプランで個人がVtuberをやろうとしたら、たしかにちょっと払いづらい金額かもしれません。

     

    ちなみにクラウドソーシングで同様の案件の費用感をみてみたところ、20,000-50,000円での募集と50,000円-100,000円での募集がちょうど半分くらいですね。だいたい個人が請け負う場合の相場は50,000円くらいなのでしょうか。

     

    3Dモデリングの場合はもうちょっと高くなりまして、相場は30万-50万くらいなのだそうです。

    (うちではLive2Dでのモデリング請け負いますので気になる方はお問い合わせください)

    このキャラはこちらの記事でフリー配布してますのでよければ使ってみてください。

     

    編集まで外注する方法

    こちらもたまに案件として話を伺うことがあります。この場合、自分はネタを作ったり、喋ったりするだけで、あとは他の人たちが動画編集までやってくれるというパターンですね。

    この場合の費用感はかなり契約によって差があると思いますが、初期費用+月額費用(基本料金+広告収入から歩合で)という契約が多いのではないでしょうか。金額もピンキリだと思います。

     

    まとめ

    ということで、今回はVtuberを始めるために必要なソフトや費用感なんかをまとめてみました。こうやって見ると、ひとえにVtuberといっても動画化までの流れはかなりいろんなパターンがありましたね。

    多分今後もこの市場は増えていくんじゃないかな・・・いやどうかな・・・わかりませんが、参入するなら早い方が良い気もします! そんな方の参考になれたらこの記事を書いてよかったと思えますわ!

     

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    この記事を書いたライター
    咳戸

    大手広告代理店から独立し、不動産事業や投資等で
    莫大な資産を得る人生を日々夢見ながら家でゴロゴロしている。
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